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F1第9戦 改善されて然るべき時期

2010.06.28 Monday
2010 F1世界選手権 第9戦 テレフォニカ・ヨーロッパグランプリ
決勝 / マリーナ・ベイ市街地コース 57Laps(308.883km)
1位:セバスチャン・ヴェッテル(レッドブル・ルノー)
2位:ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
3位:ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)

「ヨーロッパグランプリ」と言えば、数年前まではドイツのニュルブルクリンクで開催されるグランプリを指す言葉でした。2008年に「一国一開催」の原則が厳格適用され、イタリア・イモラで開催されていたサンマリノGPが廃止され、ドイツでのグランプリはホッケンハイムリンクとニュルブルクリンクの交互開催になってしまい、ヨーロッパGPは姿を消すと思われました。が、フェルナンド・アロンソの活躍によって、スペインは「第2のグランプリ」を手に入れたのです。それがヴァレンシアでのヨーロッパGP。今年で3回目の開催になります。

今季4回目のフロントロー独占を果たしたレッドブルは、アップデートを加えた"Ver.1.5"パッケージで臨みます。マクラーレンはアップデートが間に合わず、従来通りのスペック。なので「レッドブルについていければ、その後ろでフィニッシュできれば御の字」というのが本音だったでしょう。逆に言うと、レッドブルにとっては「必ず勝たなければならない」レースだったわけです。

でしたが、ウェバーがスタートに失敗。マクラーレンやフェラーリに次々とパスされ、1周目終了時には9番手までダウン。これを見て、レッドブルはウェバーに早めのタイヤ義務消化をさせます。プライムでもオプションでも十分な速さのあるレッドブルなので、一度下がってしまった以上、前との差があまり開かないうちにピットストップを終えてしまうというのは、よくある戦術。が、直後に予想だにしないことが起きます。

10周目、コヴァライネンのロータスをパスしようと、スリップストリームに入ったウェバー。と、レッドブルのフロントがロータスのリアに接触し、レッドブルはそのまま空中へ飛びあがって回転、アスファルトに叩きつけられるという大惨事に!フェンス上部に取り付けられていたDHLのアドボードを蹴っ飛ばすくらいに高く舞い上がったレッドブルでしたが、幸いにもウェバーに大事はなく。ハンドルを外し、シートベルトをイジェクトして、自力でメディカルカーに乗り込みました。コヴァライネンも無事。ヒヤリとしましたが、現代F1マシンの強靭なモノコックに助けられたようです。よかった。

このシーン、どうやらコヴァライネンがセオリーよりもずいぶん早く減速したようです。ウェバーによると、コヴァライネンは前の周よりもおよそ80mも手前で減速していたとのこと。2人は同一周回だったので、正当なバトルと言えばそうなんでしょう。レッドブルとロータスには歴然たるスピードの差があったので、そういう意味では普通のバトルとは違うイレギュラーな場面だったと思います。なんにせよ、二人が無事で本当に良かった。そしてあれだけの事故にあったのに、コヴァライネンを全く責めないウェバーは素晴らしいと思いました。「この事故には僕らふたりが関わっている。責任の所在は分からないよ」。

この事故でセーフティカーが導入。事故は広いランオフエリアのある場所で起こっていたので、セーフティカーもそれほど長くはならないかなと思ってはいましたが、内心ドキドキものでした。というのも、この日はワールドカップの決勝トーナメント、ドイツ−イングランド戦があるのです。F1がゴールしたらすぐにチャンネルをサッカーに切り替えないといけないという中、セーフティカーでレースタイムが長引くのは歓迎できない事態。そしてそれは僕だけでなく、ヴァレンシアにいたピットスタッフも同じだったと思うんですよね。特にマクラーレンやメルセデスのスタッフは・・・・。

このセーフティカーのタイミングで、上位勢は次々にピットストップを済ませました。最低1回はピットに入ってタイヤを交換しなければならない以上、こういった影響の少ないタイミングでそれを消化するのは当然のことです。ただ、下位のクルマにとっては、あえてピットに入らずにポジションを上げる、というのもひとつのやりかた。小林可夢偉はそれを選択しました。3番手にポジションアップした小林のザウバーは、今回はエンジンの調子も良くプライムタイヤとのマッチングもスムーズで、快調に走り続けました。

その後も順調な走りを見せた小林は、チェッカーまであと4周となる53周目にタイヤ交換。もう少し引っ張ってみてもよかったかも、とも思いましたが、今度は新品のオプションタイヤのパワーを余すところなく発揮して、同じエンジンを積むアロンソをオーバーテイク。アロンソのほんのちょっとしたミスに付け込んだ、見事なパッシングでした。ファイナルラップの最終コーナーでは、トロロッソのブエミを抜いて、最終的には7番手でチェッカー。間違いなく、彼の今年のベストレースでしょう。デ・ラ・ロサも10番手フィニッシュ(審議により12番手に降着)し、ダブルポイントとはならなかったものの、2台とも完走です。

ザウバーは、ようやく安定してレースを走れるようになりました。これまでのトラブルは、そのほとんどがエンジン(フェラーリのエンジン!)が原因でしたから、それがある程度解消されればきちんとレース距離で勝負ができるだけのポテンシャルはあるわけです。予選で速さが発揮できていないのは問題ですが、まず完走率が上がっているのはいい兆候。この先、巻き返しを期待しています。

ウェバーとコヴァライネンの事故のあと、レースは目立った混乱もなく終わりました。ハミルトンにドライブスルーペナルティが課されましたが、後ろと十分にマージンを築いていたハミルトンは、ひとつも順位を落とすことなくコースに復帰。これはちょっとズルい。実質ペナルティなしですからね。アロンソが「規約を守った僕はポジションを落とし、規約を破った彼はポジションを上げた」と怒っているのも、無理はない。また、このセーフティカーラップのスピード違反によって、多くのマシンが同様の審議対象になり、結果的に5秒加算のペナルティを受けました。当初、ドライブスルーペナルティ相当の20秒加算を食らってしまう可能性もありましたが、それほどのジャッジは下らなかったようです。結局、リザルトにも大幅には影響しませんでした。

上位勢は全く何のトラブルもなく、バトルもなく、静かにチェッカーを受けました。ヴェッテルは、実はまだ今季2勝目。チャンピオンシップでは、首位のハミルトンに12ポイント差の3位。勝たなければならないレースで勝ち切ったのは、さすがというところです。ハミルトンとバトンも、順当に表彰台を獲得。ヴェッテルの接近を最小値で食い止めています。アップデートが間に合わない中での2位・3位は、最高の結果でしょうね。イギリスではアップデートも積んでくると思うので、どこまでレッドブルに迫るか、またレッドブルはマクラーレンを抑えることができるか、楽しみです。

今回のサーキット「マリーナ・ベイ」は、ヴァレンシアの郊外にある市街地を使うコース。ですが、ランオフエリアがとても広かったり、ピットビルディングも専用に整備されていたり、ホワイトラインを消した跡が全く残っていなかったりと、およそ「市街地コース」らしくない感じでした。F1開催が決まってから急きょ整備した道路網だということですが、本当に普段は行動として使われてるんでしょうかねぇ・・・・。

1周あいて、シルバーストンへ乗り込みます。マクラーレンは是が非でも勝ちたいホームグランプリ。とは言え、レッドブルも負けられない。フェラーリだってそろそろ追いついておきたい。いよいよ、シーズン折り返しです。

F1のあとに行われたワールドカップ・ラウンド16では、ドイツが4-1でイングランドを退けました。F1もドイツ、サッカーもドイツ。この日は"ドイツの日"になってしまいました。そしてイギリスGPの決勝は、ワールドカップの決勝戦と同じ日なんですよね。ワールドカップの決勝とイギリスGPの決勝が重なるのは、もはや4年に一度の「恒例行事」。夜はF1、深夜はサッカーと、スポーツを存分に楽しみ日曜日にしたいです。

[ESPN F1]ヨーロッパGP - 決勝レポート
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