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F1第12戦 エキサイティング・ハンガリー

2010.08.02 Monday
2010 F1世界選手権 第12戦 ENIハンガリーグランプリ
決勝 / ハンガロリンク 70Laps(306.630km)
1位:マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
2位:フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
3位:セバスチャン・ヴェッテル(レッドブル・ルノー)

ハンガロリンクは、モンテカルロ市街地コースに次いで、トラックの平均側が低い「超低速サーキット」。ホームストレートは短いし、コーナーはテクニカルで間隔が狭いし、だからスロットルを開けられない。こういうサーキットでは、ストレートラインスピードよりも、コーナーからのダッシュスピードのほうがモノを言います。けれど、当然それだけでは「レースに勝つ」には不十分なわけで。

オーバーテイクポイントが極端に少ないこのレースは、スタートとオープニングラップでレースの90%が決まってしまうのが常。ここ最近のレースで抜群のスタートを見せているフェラーリは、セカンドローからスタートした今回もロケットスタートに成功。2番手スタートのウェバーがアロンソにプレッシャーをかけましたが、全く歯が立たずポジションを明け渡してしまいました。ポールスタートのヴェッテルは、ウェバーのサポートでトップをキープ。そのままいきなり独走態勢に入ります。

予選ではヴェッテルが1分18秒台というものすごいラップタイムをたたき出したように、レッドブルの速さはとにかくとんでもないものでした。フェラーリと比べて1周あたり1秒も速いのです。つまり10周走ったら10秒のギャップができる。そしてフェラーリの後ろのレッドブルとは、差がどんどん縮まって離れられない。これはウェバーがアロンソをパスするのも時間の問題で、今回はレッドブルの1-2で固いかな、と思いました。それくらい圧倒的な走りだったんですよ。

そんなお決まりの展開をひっかきまわしたのは、ひとつのパーツの脱落でした。リウッツィのフォース・インディアが、フロントウィングのパーツをコースのど真ん中に落としてしまい、セーフティカー導入。たかがパーツ一つなんですけど、260km/h前後で疾走してるF1マシンにとっては細かいデブリですら命取り。トラックの掃除のためにセーフティカーが入ることは珍しくありません。そしてこのタイミングが、オプションタイヤのピーク周回とほぼ一致したために、多くのチームが一斉にピットイン。ピットロードは一時騒然となりました。スーティルとクビサはルノーのスタッフのミスで衝突し、スーティルはリタイア。ロズベルグは右リアタイヤの固定が十分でなく、ピットロードでタイヤを脱落させてそのままレース終了。このはずれたタイヤがザウバーの作業エリアに飛び込み、あわや接触事故という事態に。危ない。そんな中フェラーリは絶妙のタイミングで2台のピット作業を終えて、3番手と5番手で復帰。レッドブルのウェバーはピットに入りませんでした。

リスタート時点で、レッドブルの1-2状態。ウェバーはピットインを済ませていませんでしたが、フェラーリとのペース差はかなりあったし、2番手のヴェッテルがウェバーをサポートすることもできる。なので、ピット作業に必要な20秒を稼ぎ出すことなどたやすい、やっぱりレッドブルの1-2で決まりだと、そう確信した矢先、ヴェッテルにドライブスルー・ペナルティが出ます。原因は、セーフティカーラップ中に前のウェバーとの間隔をあけすぎたこと。「前のクルマとの間隔を10車身以内に収めなければならない」という規定に違反したのですね。ヴェッテルはこのルールを知らなかったようで、無線で「なぜ僕がペナルティなんだ!?」と憤っていましたが、違反は違反。これでレースは俄然白熱することになりました。

ウェバーはピットストップのために、2番手のアロンソを引き離したい。アロンソは離されたくない。3番手のヴェッテルは、アロンソを逆転したいしウェバーからもポジションを守りたい。この3人の"見えないバトル"は見ごたえがあって面白かった。FIA公式サイトのLiveTimingモニタで1周ごとに更新されるギャップタイムから目が離せない、ジリジリとした展開が続きました。

44周目にウェバーがピットに入ったとき、アロンソとは23秒の差がついていました。ピットでのロスタイムは13秒+静止時間。5秒足らずのタイヤ交換作業を終えて、ウェバーは悠々とトップでトラックに戻りました。これで見所は、アロンソとヴェッテルのバトルに移ります。

トラック上のバトルはここだけではなくて、後方ではミハエル・シューマッハとバリチェロが争っていました。ご存知フェラーリでチームメイトだった2人。明確に「No.2」の立場にあったバリチェロは、ホッケンハイムリンクでの"チームオーダー"について聞かれていたようで、「あれがあったから、僕はフェラーリを出たんだ」と語ったそう。バリチェロは未だにミハエルに対して思うところがあるんでしょうか。バトルは最終的に、ホームストレートでバリチェロがミハエルを交わして決着しました。しかしこのときもミハエルはバリチェロをコンクリートウォールに追いやり、審議対象に。この2人の間には、どうしても「因縁」が付きまとうんですね・・・・。

レース距離の半分ほどもテール・トゥ・ノーズを演じておきながら、ヴェッテルは最後までアロンソをパスできませんでした。ハンガロリンクの唯一のオーバーテイクポイントは、第1コーナーの飛び込み。つまりオーバーテイクに必要なのは「ストレートラインスピード」でした。フェラーリよりもストレートスピードの劣るレッドブルでは、「追いつく」ことはできても「追い抜く」ことはできなかった。これこそがF1の難しさ。守るのは簡単でも、攻めるのは本当に難しいのです。

F1は1ヶ月のサマーブレイクに入ります。テスト規制も風洞規制もあるので、ドライバーもチームスタッフも少しはゆっくり休めるはず。じっくりと英気を養って、1ヶ月後のスパ・フランコルシャンから、またエキサイティングなレースを見せてほしい。それまで少しの間、お休みです。

[ESPN F1]ハンガリーGP - 決勝レポート
[F1通信]F1ハンガリーGP 6の結論

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