
梅雨もとうに明け、学生はもう夏休み。会社勤めの人たちもお盆休みが近づいています。つくばFCの男女トップチームが所属する関東サッカーリーグとプレナスチャレンジリーグも、夏の中断期間に入りました。シーズン中盤を振り返ると共に、終盤戦の戦いを展望してみます。
苦難に耐え優勝争いを続ける【ジョイフル】
ジョイフル本田つくばFC
第51回関東サッカーリーグ1部 後期第3節終了 2位(勝点26、8勝2分2敗、得失点差+15)
第53回全国社会人サッカー選手権関東予選 2回戦敗退
ジョイフルはリーグ戦の3分の2を消化して夏の中断期間に入りました。後述する全社予選での大敗後に2分1敗とやや失速しましたが、後期に入って3連勝と復調。首位のVONDS市原との直接対決で敗れたのは痛手でしたが、しかし未だ4ポイント差で2位を快走しています。残り6試合となった現時点で、3位の那須とは4ポイント差(市原と8差)、4位横浜とはさらに2ポイント差(同10差)で、得失点差も市原に次ぐ2番手に位置しているので、優勝戦線では2チームがやや抜け出している形です。

後期に入って、中央にコンバートされた深澤が持ち味のカバー精度を発揮し始め、また中盤では塚本や平賀が躍動するようになり、相手関係もあって勝ち点を順調に積み重ねています。先発を獲得したGK西尾もしっかりと本領を見せて勝利に貢献しています。ただ、「強い攻撃と堅い守備」の両立を取り戻すには至っておらず、上位との対戦を前にして不安要素があることも事実。
ですが、ジョイフルが優勝争いに絡んだまま夏を迎えるのは初めてのこと。現状では首位市原を射程圏におさめている唯一のチームです。これを起爆剤にして地域を盛り上げ、より多くのサポーターを集めて追撃体制を強めたいところです。
一方で、JFL昇格へのもうひとつの道である全国社会人サッカー選手権の出場を逃したことは、非常に大きな衝撃でした。市原のセカンドチームに対して、立ち上がりに大量失点を喫しての大敗。悪い夢でも見ているかのような感覚で、悔しいというか、試合後にはしばらく呆然としてしまいました。前日にJ1鹿島との練習試合をこなしていてその疲労が色濃く出てしまったのか、1週のブランクが悪いほうに作用してしまったのか。昨年躍進を遂げた大会への切符を手にすることはできませんでした。
小さな希望を見出した【レディース】
つくばFCレディース
2017プレナスチャレンジリーグEAST 全日程終了 6位(勝点7、1勝4分10敗、得失点差-24)
レディースのトップチームはレギュラーシーズンの全日程を終了しました。チャンスも作り得点もそれなりに奪いながらも勝ち星に恵まれず、大変に苦しいシーズンになりましたが、最終節のホーム大和戦で待望の今季初勝利。はじけるような笑顔と嬉し泣きのあふれる中でバンザイ三唱して、いい形で区切りを迎えることができました。ひとつの光明を見出して、1か月半の中断期間に入りました。

ただ、悪いことばかりだったわけではありません。エース豊嶋の絶対的なスピードは健在で、その強みを活かした得点を6つも獲得しました。シーズン6得点は、つくばFCレディースの個人記録としてはCL昇格後最多です。またゲームメイカーの亀井は、守備面での不安が拭えず先発出場の機会を減らしましたが、それでもその攻撃センスはチームのリズムを大きく変えましたし、やはり必要不可欠な戦力です。他にも、攻守で懸命にファイトし続ける三間、スランプと脱しつつある井上藍、ようやくコンディションが上がってきた水島など、今後に向けての好材料は多いと思います。
観客動員のおはなし

今季はつくば駅周辺で街頭PRを実施したり、マッチデースポンサーも多く付けて、いろんな方面から「地域に名前を売る」ためのアプローチを展開しています。筑波大学や筑波学院大学などの近隣大学とも協業して、多方面にPRをしているし、街中でつくばFCのフラッグを見る機会も増えてきました。今季は特に女子の競技成績が上向かず苦戦しましたが、それでも有料入場が増加しているのは、こうした施策が奏功したことの証左に他なりません。
9月の2試合は、男女ともシーズン佳境の重要な試合になります。ここでいま一度しっかり地域にPRして、できるだけ大勢の観客を迎えてシーズンを締めくくりたいところですね。
いざ、『クライマックス・セプテンバー』へ
男女ともいよいよシーズンの最終盤を迎えます。何よりも『結果』の求められる9月決戦は、ホーム開催が少なく地の利が活かしづらい難しい環境。それでも、なりふり構わずに勝ち星をあげていくしかありません。
2週間のサマーブレイクを挟むジョイフルは、残り6試合をノンストップで戦い抜きます。終盤になるに従って1試合ごとの価値もグイグイ上がっていきますが、勝負どころの6節・8節・9節に上位との対戦が組まれているというタフなスケジュールです。重要でない試合などひとつもありませんが、まず中断明けの2試合、下位の日立ビルとさいたま相手にきっちり6ポイントを獲ることが大事。続く2試合をしぶとく戦って首位に食らいつき、満を持した状態で首位・VONDS市原とのアウェイゲームに臨みたい。
このチームがJFLに昇格するには、強豪ひしめく関東1部で優勝するしか道がありません。優勝できなければ、2位も6位もかわらない。強い気持ちと力を結集して、唯一無二の目標を達成できるよう戦い続けましょう。
レディースは全国リーグ残留をかけて、3試合の超短期決戦に挑みます。プレーオフで残留の権利を勝ち取れるのは、4チーム中上位2チーム。そのためには、2勝か、得失点差を稼いでの1勝1分が必要です。今季これまでの戦績を考えると相当ハードルが高そうに見えますが、しかしレギュラーシーズンの結果はもはや関係ありません。数字の上では完全に横一線から再スタートするサバイバルです。夏の中断期間に技術とチーム力を蓄え、前を向きゴールを奪い勝利を目指して、全力で戦うのみです。
また9月下旬からの皇后杯の関東予選がスタートします。一昨年・昨年と「あとひとつ」が勝てずに本大会出場を逃してきました。今年こそその壁を打ち破りたいところです。